院長からひとこと〜健康の価値観

もともと歯がないこと・歯がなくなること自体は、古今東西、病とはみなされないので、健康保険には歯を残す治療内容はありません。
また、従来型の治療、とくに入れ歯では、自分の歯の方がどんどん傷んで減ってしまうわけですが、また大きな新しい入れ歯を入れておけば別に構わないだろう、というのが厚生労働省および国の考えです。
しかし、入れ歯の方々のお話を伺うにつけ、あまりの悲惨さにいつも胸が痛みます。

インプラントのお見積は、通常、上の人工の歯の部分までのトータルで出てきます。
「こんなに高いのか!」物の値段を見慣れない方は、かならずおっしゃいます。

しかし、考えてみてください。

たとえば、2010年にタバコが値上がりしました。一例ではマイルドセブンが300円から410円になりました。
これを1日1箱10年続けると、なんと150万円が煙に消えることになります!

また、当歯科室の隣には、大変おいしいパスタ屋さんがあります。こちらのランチメニューは900円程度だったと思います。極端な例ですが、仮にコアなファンの方が定休日を除いて10年通い続けると、ランチだけで282万円のコストになります。

あるいは、芸事などの束収(お月謝)が1万円と考えても、気がつけば免許皆伝、師範代。10年続ければ120万円です。

同じように、ヘアサロンでしっかりカラーリングやパーマなどのヘアケアを定期的に10年間行うと、50万は下らないお値段になりますし、エルメスのバーキン30やモローゾの高級1人用ソファは、それだけで100万円以上します。

いっぽう、インプラント治療はどうでしょう?

10年持つのはほぼ常識、たとえば4本で100万円程度のお見積が出たとして、少々驚きながらも良く考えてみましょう。
最悪(最短)、保障期間の10年で割っても1日274円、20年持ったとしたら1日137円のコストにしかなりません。
タバコと比べてみてください。これで、

取り外し式にまつわる悩みから開放され
自分の歯と同じかそれ以上によくかめて
周囲の歯も含めて全体でより長持ちする

と考えたら、人生においてこんなに安い買い物もないのではないでしょうか。

appendice

◆ 「今はちょっと気が向かない」という方

通院中の方で、今、お見積が出たということは、今の現状ならその治療内容だということです。
歯が不足している口腔内は、自覚症状がなくてもかみ合わせがずれてきたり、他の歯がどんどん傷みつつあります。
つまり現在進行形で状況は日々悪化しているのです。
目先の金額に驚いて、あわてて通院を中断してその場をやり過ごした場合、何年か後に、必ずさらに大きな症状の形で問題が再発します。
そのときの新しいお見積は、たいてい以前のお見積の3割り〜5割増しになってしまいます。

インプラントのお見積が出た、ということはつまり、原則として「今」が、治療開始に最適な時なのです。

◆ 「家族に相談しないと」という方

そのご心配は、よく分かります。
しかし今から断言しますが、ご家族は必ず反対します。これは100%言い切ります。

理由のひとつは、いくら家族とはいえ、ご自身の体ではないからです。切実さがまったく違うのです。
私が歯科医師でなければ、家族が7桁の見積を持ってくれば私でもとりあえず反対すると思います。

理由のもうひとつは、ご家族は治療内容の意義をまったく理解していないからです。
なぜそれが必要なのか、そうしないとどういう問題があるのか、etc.
お身内に歯科医師や専門家がいらっしゃれば別ですが、そうでもない限り理解に到達しないと思います。

あなたが「やりたい」と願う気持ち、説明を受けて理解した必要性や内容と、ご家族のそれはまったく違います。

最低限、このページの部分の内容程度はご家族の方の頭の中にもしっかり入っていることが絶対に必要です。
"家族会議"の際は、ぜひこのページを開いて、お見せしながらご説明下さい。