通常の治療の流れ

術前から

診断用模型、CT撮影を行い、植立方向および長さ、本数を検討します。理想的なところに 埋入するために、応用的な治療法を検討することもあります。

前日は睡眠を十分にとり、当日は食事を取られてください。術前・術中・術後に体温、血 圧、脈拍、血中酸素濃度(SpO2)をはかりモニタリングしながら行います。緊張される方も 多いので、当歯科室では目かくしをしない保護布を使用しております。

麻酔や準備を含めると少し時間がかかりますが、正味の処置時間はおおむね1歯10分〜30分程度です。

術後

術後は、下顎で2ヶ月、上顎で4ヶ月程度待機して、骨との生物学的結合(オッセオインテグレーシ ョン)をはかります。安定すればすぐに仮歯ないしは最終的なかぶせ物を入れて機能するこ とができます。

メンテナンス

手術前、待機期間中、歯の装着後、など、さまざまなステップにあわせて、また受診者の方それぞれのコンディションに合わせて、経験豊富な歯科衛生士が専用のケアと指導を行います。

当歯科室では、あらかじめインプラント治療にあわせた専用のメンテナンスベーシックキット(右図)を皆様にご用意いたしております。さらに必要に応じてそれぞれの修復形態に合わせた補助的清掃用具をご提案させていただいております。

診断の重要性

インプラントを成功させるには、十分な骨があることが必要です。しかし、歯が失われた理由にもよりますが、往々にして、やりたいところに十分な骨がないことが多いものです。

◆ 上の奥歯

副鼻腔(上顎洞)までの距離が近く、雑に行うと突き抜けたりして危険です。正確に距離を測り、足りない部分はソケットリフト法などで骨を増やします。

◆ 上の前歯

外側が大きくやせてしまっていることが多く、骨が足りなくて後でとれてしまう、あるいは取れないにしても歯肉が下がってしまう危険が高いことが多いので、計画はひときわ慎重に行います。

◆ 下の奥歯

【口腔外科】のところで述べた下歯槽神経との距離が問題になります。やはり正確な分析なしに行うと、インプラントで下歯槽神経を押したりしてしまい、知覚鈍磨、などということにもつながりますので、断面を正確に見て神経を避けるように植立したりします。 また、横から撮るレントゲンでは骨の高さがあるように見えても、実際は横幅が狭く、スプリットクレスト法などで骨を増やして埋入する必要があることもあります。