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根本齒科室/Spazio Dentale RADICE
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神経と根管治療

はじめに

ここをクリックしてしまった方には申し訳ないのですが、私共が「できることならばこのようなことはしたくない」と思わざるを得ない分野の内容の紹介になります。

しかし、むし歯を痛くなるまで放置したり、歯の向きを変えるのに矯正したくないので大きく削るなどの原因で、日本では神経を取ってしまった歯(失活歯・無髄歯)の本数が世界的にも高くなっております。

もちろん歯の神経は取らないに越したことはないのですが、初診時にすでに手遅れのことも多く、また「事前的モラルハザード」のせいか歯科『治療』を軽く見る国民性もあって、当方としましても抜髄やむなしということも多々あります。

さらに特徴的なことは、本国では世界に類を見ないほど再治療の比率が高く、そのほとんどが昔の根管治療が不潔な環境で行われていたことによる人為的感染のやり直し治療であることです。

複雑な根管系

歯科医院やホームページなどで説明に用いられる「歯の断面図」を見ると、たいてい根は1本でまっすぐであることが多いです。しかし実際は曲がったり分岐したり網目状に交錯したりと、なかなか一筋縄ではいきません。上下左右のそれぞれ何番目の歯や根がどのような形や本数になっているかというのはだいたい知られていますが、本当に正確なところは分からないものです。

無菌処置の重要性

そのような複雑な根管系にもし感染を起こしてしまったら大変です。今は大丈夫でも10年後にやり直し治療になってしまうかもしれません。そこで、極力 ラバーダム という、感染防止のゴムテントを使用する必要があります。当歯科室で根管治療を行うときには付けるようにしているのですが、来院者の方は皆様口をそろえて、こんなテントは初めてだとおっしゃいます。

根管の中を清掃する器具はもちろん全て滅菌処置してあります。これらで、できるだけ正確に根尖ぴったりまで掃除するようにします。削りかすはカルシウムキレーターや超音波洗浄器で洗浄し、目に見えない神経や細菌などの有機物の取り残しは、次亜塩素酸などで化学的に洗浄します。その後十分に殺菌水(微酸性電解水)で共洗いして、水酸化カルシウム製剤をつけて根の鎮静化をはかります。

洗浄が終了したら、根の空洞の正確に長さと太さを測って、防腐剤を緊密に根尖ぴったりまで充填(根管充填)し、「根を剥製化」します。不潔にして人為的感染を起こすと、何年後かに痛みや腫れが出たりしてやり直し治療になってしまうことを考えますと、緊張する瞬間でもあります。

これが、いわゆる「神経を取る」と簡単に言う治療のあらましです。

人間の限界を超えるマイクロスコープ Vol.1

拡大鏡でよく覗くと、実際に手探りの作業でイメージしていた形と若干違うことも良くあります。たとえば上顎の6番目の歯はもともと根管が3本だといわれていましたが、最近では高い確率で4本目があることが知られています。そのような見落としは、往々にして感染の放置や不良な予後につながるので、できるだけ発見して処置するようにするのが望ましいことです。このように、今まで1本だと思われていたものが実は2本であることが多い、などという発見が、拡大鏡やマイクロスコープの発達によって知られるようになりました。

また、根にひびが入っていたりして、保存不能であるかどうかが、裸眼では分からなかったものが高い確度で診断できるようにもなりました。

そのようなところを勘だけで100%確実に治療しきるのは、往々にして無理があります。

やり直し治療の困難

このように、歯科の中でもとりわけ厳密さと繊細さを求められる根管治療ですが、昭和の後半の『患者の洪水』時代からの保険医療で、満足の行くような仕事がされてきたかといいますと、とてもそのようには思えません。再度、かぶせ物〜土台〜根に詰めた防腐剤をすべて除去して、根管治療をやりなおさなければいけません。

しかしこのような簡単なものは少数派で、多くが、前医が

◆間違った方向にトンネルを掘ったまま削りかすが詰まってしまったり
◆太すぎる心棒を入れてしまったことで根に穴が開いたりひびが入ってしまったり
◆そこまでいかなくても根の内面が一面むし歯になってしまったり

して、

◆歯を保存させるのも一苦労
◆感染部位をきれいに除去したものの残りが少なすぎて再利用不能
◆もともとあったはずの正しい根管さえ発見するのに苦労

することがしばしばです。

また歯冠歯根比の悪化といって、再利用不能と思われるほど残りの根が少なくなっている歯に無理して差し歯を作っても、頭でっかちとなって差し歯が強度的に持たなくなってしまうこともあります。

しかし、根管洗浄〜根管充填は、すべてのリハビリテーション処置の一番基礎・出発点になる部分です。仮定の話ですが、そのような根が今大丈夫だとしても、5年後に腫れたりしたら、自分の不作為を恥じることになってしまいます。差し歯の交換などで、現時点で根に症状がない場合も、レントゲンで黒い影や不十分な治療痕などの怪しい像が見られたら、原則的には根管治療のやり直し治療からベストを尽くすようにしております。